震災前までは、農業と漁業を営んでいました。震災で家も船もすべて失い、現在は仮設住宅で暮らしています。
結婚する前は、和裁・洋裁の勉強をし、それを仕事にしていました。
この女性に、製作の仕事を1点頂きました。
作り終えた感想が届きましたので、ご紹介します。
嬉しさとか楽しさ、というのとも違う、
縫わせていただける心地よさを一番に感じました。
良い場所に行った気分、と言ったらいいでしょうか。
暫く振りに縫いましたので大変ではありましたが、
どのような方がこれを手に取られるのだろうかと想像してテンションが上がりました。
縫いながら袖付け止めやふき作りを思い出し、
上質な生地ですし、柄も活きるように、
私の思いも込めて糸の色や縫い方に気を配りました。
布を広げて仕事が出来るスペースはありません。裁ちバサミやアイロン、糸など、仕事をする環境は充分といえません。
また一人のひととして、ここでお話しするに忍びない背景を幾つかお持ちです。
この女性は、2011.3.11 その日、情報が遮断され日本がどうなってしまったかわかりませんし、
支援が入るとも助けてもらえるとも考えられない混乱の中で、「今日から雑草食べて生きて行く」と覚悟を決めたそうです。
被災地には様々なタイプの手仕事が入りました。その功罪、いろいろです。
辛酸なめた女性から出た「心地よさ」 とても嬉しい言葉でした。
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